上野憲男
発生D 1962
海の外側に沿って 1980
種子と惑星 1994
水の中のノート 2004
真昼の霧 2007
色曼荼羅シリーズ 2008
荒野のはずれに立つ赤色の木 2008

上野憲男は1932年11月、北海道天塩町に生まれ、幼年期を過ごし、1937年、家族と共に札幌に移住。山鼻の地で少年期を過ごす。1952年、画家を志して單身上京。その年の秋19才で自由美術展へ初出品、初入選する。

1962年、第5回現代日本美術展(毎日新聞社主催・東京都美術館)でコンクール優賞を受賞。その後、象微的な形や記号、文字などを浮遊させ青色を基調としたみづみづしい色彩によって詩的感性に溢れる画面は独自の絵画世界を築いてきました。

1995年のシリーズ「種子と惑星」から「方形の庭」、また「中空の果実・星」に至り、密度ある展開を経て、またその一方大気のような感放感を感じさせます。特に1995年の「種子と惑星」のシリーズによって強烈なオリジナリティーを確立し、現在の制作の基盤となりました。

画面をたどれば何かが生まれ、集い、散ってゆく、行方定まらない線と形。内なる宇宙空間に描かれた詩、あるいは数式、落書きにも似た日記、メモリー、楽譜のようにも見えてきます。
自然界に満ちている生と死、そして計算不可能な複雑なリズムを上野憲男は無意識のうちに掬いとっているのかもしれません。

2005年7月、何必館・京都現代美術館に於ける「時のうつろいー上野憲男展Ⅰ」では、画面は一段と濃密なニュアンスと深さを秘め、“湧き上がる喜びや悲しみ、不安や希望、そして生きる証しの物語を読み取ることが出来る”

2008年11月—12月には「UENO NORIOⅡ」として「色は匂へどー上野憲男展」を開催(何必館・京都現代美術館)
従来のブルー・ブルーグレイの画調から、赤、黄、緑、青、白、黒などの原色を大胆に駆使した「色曼荼羅」シリーズなどを発表。新鮮で生命感溢れるインパクトある展開を見せている。

“私の仕事はこれからだ…”と、その作品集で述べているが、今まで入り込むことの無かった原色を内部に取り込んだ上野は、これまで蓄積してきたUENOBLUEとの融合に意欲を燃やしている。
現在、自然豊かな栃木県那須高原のアトリエで、油彩、水彩を中心にオブジェ、版画、写真など自由に制作を続けています。